画廊新春企画
42 Artists NEW YEAR GROUP SHOW 2021
Make the KNOTS「結び目」をつくる
2021.1.22〜1.31
Part Ⅱ
作家コメント Part Ⅱ
Asanoi Haruna
浅野井 春奈
家族の結びつき、人との繋がりや温もりを大事にしていきたいと思い、陶器で2つ結びの三姉妹を制作しました。
Otsuka Saki
大塚 咲
私は私と結ばれていなかった。
だから自分を写真に写し実在を実感した。
描いた線は想像の世界と現実を繋ぎ、私の存在を鮮明にしている。
私にとって線は現実と想像の世界との境界である。
水面の線もその境界であり、山に刺さる棘は人間の身勝手さと山の痛みだ。
山の痛みと結ばれて私達の生活は成り立っている。
Oku Masayuki
奥 誠之
私たちは日頃、いくつもの「言葉にならない心の動き」を抱えて生活をしている。
そうした言葉未然の感情を、うめき声のようになんとか絵の中で発すること、言い換えれば "発声と筆致がイコールになる”ような表現をしたいと思っています。
Oda Ryota
織田 亮太
2020年はコロナという状況で、色々と見つめ直すことが多かった一年でした。
「社会との接点」とは何かと考えた時に絵を描くこと、観るなのだなあと改めて思いました。
「Art = Make the KNOT」
Sawada Shigeto
澤田 重人
昨年は、大変な年だった。
今年は、更に厳しいかもしれない。
しかし、これを好機と捉えて進めば、先には、これまでとは違った転回があるかもしれない。
ゆっくり行きたい、今年は、うしどし。
Shizukuishi Tomoyuki
雫石 知之
自分を大事にする為に、自分を大事にしてくれない人や場、傷付けられ虐げられる環境、見下し嘲笑われる関係性からは全力で逃げる、自分を守る選択をできるのは自分だけです。
見た人の心の鏡になって何事かのわだかまりを壊す一手になれたなら、今年が良い一年になってほしい、そう願いを込めました。
Juno Kani
樹乃 かに
私は、手描きとデジタルの両方で作品を作っています。
それぞれ絵を描くメディア(手段)ですが、紙に描く、プリントをする、モニターで映す事が出来ます。
今回は、『TheKNOTS』という作品を3種類のメディアで制作してみました。
私の同じ主題の『The KNOTS』は、メディアが違うとどのように見る方に伝わるのでしょうか?
あなたの心の中で像を結んだのはどの作品でしたか?
Sugiyama Arisa
杉山 有沙
今年は世の中と関わり、情報が交差し変化についていくことに必死な年で、
ただ自己を見つめ生きていた人間にとっては、波がない海に仰向けに浮かぶような年だった。
今年の私は表現を放棄していた。
この年初めの展示をきっかけに、もっと自身を見てあげたい。この『結び目』は私にとって“きっかけ“を意味している。
Someya Mayumi
そめや まゆみ
この度、「結び目をつくる」というテーマに参加させて頂き、3回続いた企画展の中でも、一番普段の制作のテーマと近く、ひとしおの喜びでした。
ウィルスの脅威は未だ収束はしておりませんが、今、確実にこの時代を私たちは生きている。
それは、まさに結び目をつくるということ。
続いていくということ。
流れていくということ。
再生するということ。
語り繋げるということ。
そう確認することで、立ち向かって行けそうな気がしています。
Takebuchi Erumo
竹渕愛留萌
「結び目」とは多くのイメージが浮かんでくるものです。
『忘れない温もり』では、昔の愛猫との沢山の思い出を私の人生の中の大きな結び目と、『弱すぎて』では、日々過ごす中での守るものの重みを結びきれない結び目に、『結んで ほどいて』では、何度も結んではほどいてを繰り返したあの結び目をそれぞれ違う思いから作品に仕上げました。
Nagano Junko
長野 順子
冬の樹形の美しさ。葉を落とし、凛とした裸の幹から伸びた枝は光を求めて広がり、澄みきった空に美しい線画を描いてゆきます。それは枝先に宿る生命の萌しが生み出した造形美。
“結ぶ”には“生ずる”という意味もあります。廻る季節の中で、植物は其々の戦略で、その種を途絶えさせぬように命を結び続けています。
その潔い姿は私の想像力を刺激し続けます。
Nakamura Keiichi
中村 惠一
長くメールアート・ネットワークに参加してコラボレーション作品を作ってきたが、それはまさに自分が「結び目」になる行為であったように思う。誰かと誰かを結びつける触媒になること、結び目のように機能することであったように思う。結び目はとても大切で、意識して作るべきものだ。
Hamada Takashi
濵田 敬史
私は吹いて形成したガラスポットの内側に砕いたガラス片を入れ、焼き溶かす技法を用いて制作をしている。
この技法を用いることで、時間の経過や人間の内と外、を表現したい。
今回のテーマ“結び目“から、内側の世界は
ガラスを細く引き伸ばしたパーツで表現した。
ガラス同士が交差し熱により徐々に絡み合い、一つの個体として融合する瞬間を狙った。
Masuda Yutaka
マスダ・ユタカ
市役所前から徒歩7分 !
魅惑の街、高市へようこそ ! …脳内で街を創っている。
それはリアルな都市のシミュレーションというわけでもなく、また理想の街を作ろうというわけでもない。
実際の街を歩き帰宅して妄想の街と照らし合わせの日々。そしてその思索の網の瘤(Knot)の表出の一例がこれら作品群というわけ。
Masuda Yuni
益田 由二
一連の水彩画のテーマは人工物(無機質)と生物(有機質)との出会い(交差する場所)、またはどちらかわからない曖昧な存在の出会う空間。
2020年のコロナ禍の中で試行錯誤しながら制作した一連の水彩画と2021年にまたがって制作した2種類の作品を展示します。
新年のイベントがない元旦に、日常が戻るように祈りを込めて古来から親しまれている干支を描きました。Social Distancingが続く社会の中でも新しい縁が結べますように。
Miyata Yoshihiro
宮田 義廣
作られたイメージとしての虚像と実像との狭間を日々行き来する我々の視覚における「像を結ぶ」= 結像という能力は、我々の記憶に大きく関わる。よく見れば何でもない風景に運命すら感じることがある。これを結縁という。
今回は結像と結縁をテーマに、ピントが合わないようで合うような、限りなくグレーに近い世界、像と縁の「結び目」としての作品を展開する。
Murakami Koichi
村上 紘一
身近な川や池、水たまりをモチーフとしています。
それらは風や流れで表情を変えながら、さまざまな景色を映し出してくれます。
彼方からの光も、足元の彩りも結びつけるように。
Yamauchi Yasushi
山内 康嗣
私は”見えるもの見えないもの”をテーマにした作品を作っています。
今回は、プレゼントシリーズ作品(幼少期にサンタクロースがクリスマスに持ってきてくれた素敵な想い出)で”見えないもの(コロナウィルス)”をリボンでしっかり結んで閉じ込めてしまおう!と考えました。
コロナが早く鎮静化する事の願いを込めて。
Yamada Shota
山田翔太
私は銅版に刃物で直接彫り込む原始的な手法で作品を作っています。この手法は500年以上も前に西洋で発明されました。この古典技法を手がかりに、当時にはない今だからできること、私が今感じ思うこと、古典と今を結び付けながら自分の表現というものを模索しています。
Yamada Masami
ヤマダ・マサミ
猫のあさのいさんは怒っている。
国民の不幸に目もくれずに利権をむさぼる大臣たち。
住む家のない人間が駅前で寒そうに凍えている。毛皮をまとった猫だって寒くてかなわないのに。
公園の緑も、湧き水も減っていく一方だ。
人間はみんな病気予備軍になって、大事な事を忘れていく。
こんな世の中にだれがした?
しらぬぞんぜぬはゆるしませんぞ !
あさのいさんの嘆きはおわらない。
するとジュニアたちも立ち上がった。
1号は変身 ! 2号もそうだそうだ !
猫のあさのいさん一家は怒っている。
Watanabe Yuuki
渡辺 佑基
[電気機器] [入口と出口] [同じ数字のペア] などを結びます。
線が絡まないようお気をつけください。
画廊新春企画
42 Artists NEW YEAR GROUP SHOW 2021
Make the KNOTS「結び目」をつくる
終了しました。
Part Ⅰ 2021.1.8〜1.17
作家コメントPartⅠ
Ishizuka Sakurako
石塚 桜子
水性と油性のミクストメディアを用いて物質感を持たせて現したい原始心性。フォーカスする視点。
Inoue Osamu
井上 治
これらの作品は以前にsimpleさを追求していた頃の作品を、今の私の感性で再構成した作品で、過去と現在の感性の結びつきです。再構成ではあっても、simpleさは貫きたいと思っています。表面的でなく内面性の表現を目指しています。
Eto Reina
江藤 玲奈
誰もが輝き、自由に飛び回れる世界を願って。
Ogue Shun
小久江 峻
呼吸をテーマに、綿を筆として用いて油彩画を制作しています。
誰かと関わりを持つとき、お互いの呼吸が合う事もあれば、思い通りにいかず気持ちを逃す余白が必要な事もあります。それはまるで蝶々結びの様で、結び目の強さと遊びが共存しているようです。
今回の作品は、身近な大切な人との関わり合いの中で生まれた息遣いです。
Kawabata Kaoru
川端 薫
今回の展覧会のテーマが「結び目」ということで、何か制作のヒントになるものはないかと調べていたら、「結び目理論」というものを見つけた。普通、結び目というと蝶結びのように紐の端っこがどこかにあるものだが、数学上の結び目は曖昧さを回避するために両端が閉じられ、輪っか状にされている。この非現実的な結び目を実体化させると、こうなった。
Kitajima Yusuke
北嶋 勇佑
"恋や人、時にお金と生活の中では様々な出会い、巡り合わせがあります。
暗いニュース多いこの時世に少しでも明るい気持ちになれるよう、「縁結び」をテーマに思いを込めて制作しました。
Kimura Momoko
木村 桃子
年は一時的にですが生活と仕事と制作の全てが家にあり、台所が行動の中心にあったのです。
水も火もある台所では作品を接着する糊を米と柿渋から作ることにしました。身の回りにあるものから分断されたものを結ぶことを考え取り入れました。
余談ですが柿渋はコロナの不活性化の効果があるようです。困難な状況でも発見を楽しみたいですね。
Gokurakudo
極楽堂
今回は「結び目」というテーマに、「自然と人為の結び」を重ねてみました。
素材も色彩も自然のままを良しとしました。
Sanpei Glass
三平硝子企画
幻覚世界 ~瞼落ちる時~
「人間」やめました。
結ぶ手
化け物の皮をかぶった人間たちの世界。
結び目
たくさんの目玉があるのって好きなんですよ。
Shimizu Kana
清水 佳奈
水族館で海月の水槽の前に立ち止まった。
彼らは狭い水槽の中を絡まり合いながら漂っていた。
私達もまるで水槽の中の海月。
知らず知らずのうちに、絡まりほどけて、遠のいてはまた結び合う。
たとえ水の流れが変わっても、何処かで誰かと繋がっていく。
Shindo Kyoko
新藤 杏子
昨年、歴史にも残るようなコロナの蔓延があり、みな思うことがたくさんあったかと思います。
私も例に漏れず、この不安感や閉塞感を多分に感じる一年でした。
それと同時に、日常を送っていく、日々を営んでいくことを描く、という自分自身のコンセプトを見つめ直し、より強固になったきっかけであると思っています。
今回の3点はその日々の営みから生まれたものです。
過去作ではありますが、ずっとどのタイミングで出すべきだろう、と考えあぐね、未発表だった3点でした。
去年、そしてこれから、を考えた時に、私自身ありふれた日常の中から生まれてきたこの作品をあえて展示してもらいたい、と考えこの3点を今までとこれからの「結び目」として出展致しました。
どうぞそれぞれの日常と作品を重ねて見ていただければ幸いです。
Suzuki Hiroshi
鈴木 比呂志
デカルコマニー(絵の具の転写)によって現れたRhizome(根茎)の輪郭線のみを削り出してみました。
Tachi Yasuko
館 泰子
日本古来の美しい紐「水引」が思い浮かぶ。
「水引」は、物事を浄化し清め、邪気を祓う力があると言う。
このコロナ禍の終息を願う新年には、打って付けの素材ではないだろうか。
そして「結ぶ」が、偶然にも私の作品を平面から立体へと導いてくれた。
柔軟性が生み出した作品たちが、これからの制作の道標になるであろう。
Nagao Tomomi
永尾 知己
結目、人の縁、文章の結末、おむすびなど様々な意味を持つ”結び”。
その構造には人間の知恵が集結し、機能的かつ美しいフォルムを作り出す。
人間が築きあげた叡智の源と言える。人間の無限の創造力の中からその力強いフォルムが誕生した瞬間をイメージした。
Hamada Michiko
濵田 路子
自分で撮影した写真をもとに木版画を制作している。
「知っている」と思っていた人やものを二次元に閉じ込めるときに、自分が知らないことが起きている感覚になるときがある。
ふと自分の知らないモチーフの一面を見る気がする。自分が自分を懐柔出来ない部分を、版画という技法を通じて露呈させていきたい。
Hirabayashi Takahiro
平林 孝央
彼岸と此岸を結びつける夢の世界がテーマです。夢でも特にお正月や祝事にちなみ夢を食べる空想の生き物の獏、初夢の富士、縁起物の祝鯛を描きました。
本作を見てくださった方々に幸多からんことを。
Fukuda Mina
福田 美菜
今回のテーマである「結び目」を分解してみると、そこにはきゅっとした”圧縮”と、それに対する”反発”があるのではないかと思いました。圧縮と反発、そしてそこからの飛翔を表現しました。
Funayama Kanae
船山 佳苗
結び目が出来、ほどけると跡形も無くなります。
今回のテーマを聞いて、人の命の事にしか思えませんでした。
見えなくなっても、かつて確かにそこに結び目は在ったということ、その痕跡が重なって今を作っているということを大切にしたいと思い、その層を描きました。
Murase Toshi
村瀬 都思
何かと何かが結びついたとき私たちはどことも言えない泡の中から這い出して、今いる世界に接することになったのかもしれません。そうして確かなものの上に立っている、と思っていても結局はまた泡の中を転々としているのかもしれません。かつていた泡はどんなところだったのか?などとたまにはのんびり考えるのもいいでしょう。
Yamabuki Nori
山ぶき・のり
作品コンセプトは「ポスト自然と生命」。
人間だけでなくカラスやネズミなど、多くの生命が「都市」で生きている。
我ら生命にとってコンクリートなジャングルは、「ポスト自然」なのだ。
版画に使う漆は、ポスト自然に対する「リアル自然」のメタファーとして作品に登場している。
Yamamoto Ayumu
山本 亜由夢
全ての絵に穏やかさや休日の優雅な感じを意識して描いています。
ただそれが損なわれてしまうかもしれないという恐れや怒りこそが私の手を動かさせています。